63年前、列車の中で命が危ない状態だった男の子を救った保健師がいる。青森県の保健師の草分けといわれる花田ミキさん。公衆衛生や予防医療に力を注いだ生涯を映画にしようと、その時の「男の子」が監督を務め、撮影を始めた。
夕刻、奥羽線の列車内で若い母親が、はしかで高熱を出し、ぐったりとした男の子を抱え、「お医者さんはいませんか」と走り回っていた。
乗り合わせていた花田さんと同僚が男児を抱き取ると、手足の先は冷たく呼吸は止まっている。人工呼吸をして次の駅で降りると、自衛隊の車に乗せてもらい、病院に向かった――。
1960年6月の地元紙・東…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル